地球で吹く風には、1年の間、一定して吹き続ける風もあれば、ある時期だけに吹く風もあります。この記事では、地球の風にはどんな種類の風があるのかを説明します。
その後、記事の最後のほうで、偏西風・貿易風、季節風、局地風の違いをまとめます。
地球上の風を分類する
地球上で吹く風を大きく分けると、
- 恒常風
- 季節風
- 局地風
に分けることができます。
恒常風は、地球の自転の影響で年中ずっと吹く風です。種類としては、貿易風、偏西風、極偏東風があります。
季節風は、夏と冬で吹く向きが変わる風です。
局地風は、比較的狭い範囲で吹く風です。
恒常風
恒常風は、地球の自転による転向力によって吹く風で、1年中、変わらずに吹き続けます。恒常風中には、貿易風、偏西風、極偏東風があります。
貿易風
低緯度地域で、地球の自転によって年中、一定方向に吹く風です。
北半球では北東風、南半球では南東風となります。それぞれ北東貿易風、南東貿易風と呼びます。
偏西風
30°~60°の緯度で、地球の自転によって年中、一定方向に吹く風です。北半球では南西風となり、南半球では北西風となります。
西ヨーロッパの西岸海洋性気候は、1年中ずっと吹く偏西風の影響を受けています。年中湿潤で、夏は冷涼・冬は温暖であり、温度変化の少ない、人々が住みやすい気候となっています。
極偏東風
北極や南極周辺で吹く風です。地球の転向力によって、主に東風となります。
季節風(モンスーン)
季節風とは、夏と冬でほぼ逆向きに吹く風で、その季節の気候に大きな影響を与える風です。
大陸と海の間、地球の極と赤道の間などの温度変化の差によって生まれ、広い範囲にわたって吹きます。
夏の南アジアでは、南東、南の海から季節風が吹き雨を降らせます。冬には北の大陸からの乾いた風が吹きます。その結果、雨季と乾季をもたらします。
局地風(地方風)
特定の地域に吹く風のことを局地風、または地方風といいます。
吹く地域は、貿易風や偏西風のように広くないですし、時期も年中というわけではなくて、ある特定の場所で、特定の時期だけ吹く風です。
局地風は、気温や湿度を変化させ、その地域特有の気候をつくっています。
- ヨーロッパの局地風としては、シロッコ、フェーン、ミストラル、ボラ
- 北アメリカの局地風としては、ブリザード、チヌーク
- アフリカの局地風としては、ハルマッタン
などがあります。
参考:局地風(地方風)の種類
偏西風・貿易風、季節風、局地風の違い
上記で説明したように、そもそもの風が起こる根本要因が異なります。
偏西風や貿易風は、地球の自転による転向力によって吹く風ですから、地球が自転している限り吹き続けます。季節が変わっても、気圧や気温が変わっても基本的に吹き続ける風です。
季節風はその名前のとおり、季節によって吹く向きが変わる風で、広い範囲で雨季と乾季を作りだします。ひとつの国だけでなくて、東南アジア・南アジア全体に影響を与えます。
局地風(地方風)は、季節風よりも狭い範囲で、ある特定の場所にだけ吹く風です。
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