酸性雨とは、pH4~5未満の酸性の強い雨で、工場からの排煙や車の排ガスが雨に取り込まれて、地上に降ったものです。
pH(水素イオン指数)は酸性・アルカリ性度合いがどのくらいなのかを示す指標です。
水がpH7.0で、値が大きくなるほどアルカリ性が強くなり、値が小さくなるほど酸性が強くなります。
大気中には二酸化炭素があり、それが雨に取り込まれます。そのため、ふつう雨はpH5.6が正常な数値なのですが、肺煙や排ガスを取り込んだ酸性雨はそれよりもpH値が小さくなります。
酸性雨の被害
自然環境の被害
森林や湖などの自然に被害が出てしまうのです。酸性雨によって、葉が落ちるだけではなく、土壌が酸性化して、樹木が枯れて死んでしまいます。
立ち枯れが発生します。立ち枯れとは、森林の樹木が倒れることなく、立ったまま枯れてしまうことです。
湖や沼に酸性雨が降ると、湖沼が酸性化しいます。そこに生息する魚などの生物が減少、死滅してしまいます。
都市の被害
また、都市の建築物にも被害が及びます。コンクリート、石、金属でつくられた建物、彫刻などが溶けてしまったり、サビてしまったりします。
酸性雨が発生する仕組み
- 工場などから出た硫黄酸化物
- 自動車から出た窒素酸化物
が大気中に放出されます。そして、雨水に溶け込んで地上に降ってくると酸性雨となります。
酸性雨はどこで降るのか
工業が発達している地域に広がっています。
ヨーロッパをみると、東ヨーロッパの地域で酸性雨が強く、被害が大きいです。
- 東ヨーロッパでは排ガス規制が遅れているため
- 西ヨーロッパの工業地域から汚染物質が東へと流れていくため
といった理由があります。
また、イギリスで発生した汚染物質は、海をまたいで、北ヨーロッパののスカンジナヴィア山脈へと至ります。その風上側に位置するノルウェーでは、森林被害があります。
西ヨーロッパから東ヨーロッパへと旅したことがあります。西ヨーロッパでは、きれいな車が走っていましたが、東ヨーロッパに行くと道を走る車が古くなったのを覚えています。
新しい車のほうが、排ガス規制がなされているでしょう。古い車が多く走るほうが酸性雨が発生しやすくなります。
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