立地による工業の分類

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工場がどこに立地するのかによって、工業を分類することができます。

原料指向型、市場指向型、労働力指向型、交通指向型、電力指向型、集積指向型があります。

原料指向型

原料の産地の近くに立地。原料を加工すると原料よりも軽くなるものをつくる工場は、原料指向型の立地になります。

鉄鉱石を加工し、鉄をつくります。木材を加工し、パルプをつくります。

加工をして無駄な部分が無くなったり、軽くなったあとのほうが楽に運ぶことができます。

また、原料がとれる箇所が限られている鉄鉱石も木材も山の方でとれることがほとんどです。

市場指向型

原料がどこでも手に入りやすいものであると、重視されるのは原料を加工したあとの製品の輸送を少なくすることです。

飲料の原料はほとんど水です。水はどこでも手にはいるので、市場の近くで

労働力指向型

原料を加工しても、原料と製品の重さが変わらないもの、人手がかかり労働力を多く必要とする場合は、労働力が手に入りやすいところに立地します。

繊維工業、衣料品の縫製業が、労働力指向型です。

鉄鉱石とかと違って、加工したら軽くなるわけではないので、運んでから加工してもよいでしょう。繊維工業はたくさんの労働力が必要となりますから、労働力が豊富で、かつ安く得られるところに立地するようになります。

交通指向型

原料と製品の輸送費を少なくするために、交通の便を重要視した立地です。港の近くに立地する臨港指向型と、空港の近くに立地する臨空指向型があります。

臨港指向型

港の近くに立地。鉄工業や石油をつかう石油化学工業では、原料の輸入と、製品の輸出に便利な港の近くに立地します。また、造船工業も同じく、港の近くに立地しています。

臨空指向型

空港の近くに立地。小型で計量かつ付加価値の高い先端技術を用いた製品は、短時間で市場に供給できるように空港の近くに立地した工場で生産されます。

電力指向型

電力を得やすい場所への立地します。

大量のエネルギーが必要なアルミニウム精錬工業は、水力発電の盛んな場所に立地することが多いです。

集積指向型

関連がある企業が近くに集まって立地します。そうすることで、原料や製品の輸送費を減らす目的があります。

代表的な例が、愛知県豊田市のトヨタ自動車その関連会社です。

トヨタ自動車が一社だけで車をつくっているのでなく、さまざまな部品は他のメーカーがつくり、それらをトヨタが仕入れて自動車を完成させます。

製品を組み立てする会社、そのための部品をつくる会社が工業地域を形成します。

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