化学工業とはなにか、どんな特徴がある工業なのかを解説します。
化学工業は陰の存在
化学工業とは、石油や石炭などの原料に化学変化を起こして原料を生産すること、またその原料を用いて製品を製造する工業のことです。
つくる製品は、合成ゴム製品、プラスチック製品などです。
そのなかで、石油を原料とする化学工業を、石油化学工業ともいいます。
食品や衣類、家電など、私たち消費者が直接買って手にするような製品はあまり製造していません。
しかし、化学工業が製造しているものは、消費者が利用する製品の材料となるものが多く、縁の下の力持ちであるといえます。陰の存在でありながら、非常に重要な役割を担っているのです。
食品関連であれば、その包装資材や包装内を脱酸素城代にする脱酸素剤などの薬剤は化学工業製品です。
衣類で用いられる化学繊維も化学工業製品ですし、家電のプラスチック材料も化学工業製品ですね。
原油から製品をつくるプロセスは長い
原料の原油からプラスチック製品やゴム製品をつくる流れは次のとおりです。
原油が蒸留されナフサやガソリンなどに分離されます。ナフサからエチレンがつくられ、エチレンからプラスチック原料であるポリエステル、化学繊維や合成ゴム、合成樹脂などがつくられます。
さらにそのポリエステルや化学繊維、合成ゴム、合成樹脂などを用いて、さまざまなプラスチック製品、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維の衣類、タイヤなどのゴム製品、樹脂製品などがつくられます。
原油 → エチレン → ポリエステルや合成ゴム → 化学繊維製品やゴム製品
といった流れです。
多数の工程があり、産業間での大きな取引がある
いくつもの工程を経て、化学製品がつくられますから、業者間での取引が大きい産業になりますね。この一連の工程のことが化学工業になります。
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