都市には人口が集中し、経済活動が行われることによる人工排熱の発生があります。これによって、とくに夜には、周囲よりも気温が高くなってしまいます。これをヒートアイランドといいます。
ヒートアイランドは大都市だけでなく、中規模、小規模な都市、また集落でもみられます。
気象庁のデータを見ると、東京の気温と、都市かの影響が小さい場所の気温を比べると、1年の平均気温で、東京のほうが3℃くらい気温が高いようです。
東京などの大都市では、他よりも気温が高くなってしまいます。
都市の地面のアスファルト、建物のコンクリートは、日射を吸収して、熱を蓄積します。夜間になると熱が放出されるので、気温が下がりにくくなるのです。
また、都心部には緑が少ないですし、東京湾から流れ込む海風は、東京駅付近の高層ビル群にさえぎられて、都心部に入っていきません。
一方、草地や森林、水田などは、アスファルトと比べて保水力があります。地面の水分が蒸発することによって熱が消費され、またコンクリートのような日射の吸収が少なく、土地から空気中に与えられる熱が少ないです。
コンクリートが熱を吸収して、夜に放熱する。それを強く体験したことがあります。4月ごろに西アフリカを旅して、ある町でホテルに泊まったときの話です。ホテルといっても日本にあるような立派なものではなくて、コンクリート製の2階だての建物。
4月ごろの西アフリカは、めちゃくちゃ暑いです。日中、太陽の光によって、コンクリートが熱せられます。触ると熱いくらいです。夜になってもそのコンクリートは熱をもっていて、部屋の中に熱を放出します。暑くて暑くて眠れたものではありませんでした。そんな思い出があります。
東京都の西のほうに行くと、森林もあれば川もある奥多摩がありますね。夏の奥多摩で登山をしたことがあるのですが、真夏の夜は、東京都心よりも森林ばかりの奥多摩のほうが、熱くなくて過ごしやすかったですね。
ヒートアイランド現象の対策としては、
・冷暖房の設定温度の変更、服装による体温調節によって、人工排熱を減らす。
・屋上に植物を植えて、熱をため込むコンクリートの表面積を減らす。蒸発散により地表温度を下げる
・保水性のある材料を使って舗装し、水分の蒸発によって地表温度を下げる。
といった方法があります。
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