酪農とは、飼料作物を栽培して、乳牛を飼育し、乳、バターやチーズなどの乳製品をつくる農業形態です。
酪農が発達する地域、国について説明していきます。
酪農が発達する地域、国
どんな地域で酪農が発達してきたか?次の3つのポイントがあります。
- 冷涼であること
- 肥沃度が低いこと
- 消費地に近いこと
です。
冷涼な気候で、土地がやせていると、あまり穀物を栽培するのには向いていません。「穀物栽培はできないから、どうするか…。それならば牧草をつくって家畜を育てようか」というわけで、冷涼でやせた土地では酪農が発達するようになったのです。
冷涼で、やせた土地というと、氷河に覆われていた土地がそうですね。
氷河期には、北緯50°以上のヨーロッパ北部や北アメリカは、氷河に覆われていました。氷河が流れて、砂礫を運搬し、堆積したものがモレーンであり、北緯50°以上のヨーロッパには、モレーンが広がっています。それらの土地は、肥沃度が低くて、あまり穀物栽培には適していないのです。
また、牛乳および乳製品はあまり長持ちするものではないですから、できるだけ生産したら、すぐに消費(飲食)してほしいものでした。
ですから、消費地に近い場所で酪農が発達しました。消費地とは、つまり都市のこと。
ただし、現代では、冷蔵技術、交通の発達にともなって、牛乳やその加工品は長距離輸送できるようになり、都市から離れた場所でも大きな問題はありません。
酪農の盛んな地域はどこ?
ヨーロッパではデンマークやイギリスなどの北海沿岸、アメリカでは五大湖沿岸、オーストラリアでは南東部で酪農が盛んです。
いずれも、氷河期には、北緯50°以上のヨーロッパ北部や北アメリカは、氷河に覆われていて、肥沃度が低く、穀物を栽培するのにあまり適していない土地です。
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