この記事では、世界の植生について書きました。
気候区分によって、植生は変化します。気候区分ごとにどんな植生となるのかをまとめました。
熱帯雨林気候の植生
熱帯雨林気候Afでは、1年を通して気温が高く、降水量も多い。植物はよく生息し、多種類の常緑広葉樹が存在します。
何十メートルにもなる高く大きな木、その下に多種類の植物が密集しています。
日光は林の中に届かず、暗いです。
地表近くまでは日光が届かず光合成ができないので、地面に草はあまり生えていません。
このような熱帯の森林を、熱帯雨林といいます。
東南アジアの熱帯雨林はジャングル、南アメリカ・アマゾン川流域の熱帯雨林は、セルバと呼ばれます。
弱い乾季がある熱帯モンスーン気候Amでは、夏には低緯度側からのモンスーンによって雨が多く、冬には高緯度側からのモンスーンによって弱い乾季があります。
そうなると、熱帯雨林気候Afのように熱帯雨林とはならず、植物の種類は多くありません。
サバナ気候の植生
熱帯モンスーン気候よりもはっきりとした強い乾季があるのが、サバナ気候Awです。
この気候区の地域では、疎林や草原が広がっています。
強い乾季があって、樹木が密集して生えることはなくて、樹木がまばらに生育する状態となります。
これが疎林です。
ステップ気候の植生
ステップ気候では、サバナ気候Awと比べて、降水量が減って、乾季がさらに強くなります。
ですから、樹木はもちろん、草も生育しにくくなります。
雨季になって雨が降るとは草が生えてきますが、雨が降る時期は長くないです。
草が長く伸びることができず、背丈の低い短草(たんそう)が広がります。この短草草原をステップと呼びます。
私は西アフリカのステップ気候の国を旅したときには、乾季の真っただ中でした。このときに見た景色には、緑のものなどほとんどなかったですね。
そんな光景であっても、「雨季になると草が生えてくるよ」という話を聞いたときには、ちょっと信じられませんでしたが、雨季になると草が茂って、緑が広がるようですね。
砂漠気候の植生
砂漠気候では、さらに降水量が少なくなり、ほとんど植生が見られなくなります。
岩砂漠、礫砂漠、砂砂漠が広がる世界となります。
水が湧いてくるオアシスだけは例外で、植物が青々と育ち、人々の暮らしが見られます。
温帯の植生
他の気候帯と比較して、四季の変化がはっきりとして違いを感じることができる気候です。
熱帯では常緑広葉樹がみられますが、温帯では常緑広葉樹に加えて、落葉広葉樹も見られるようになります。
落葉広葉樹とは、秋になると紅葉して葉を落としてしまう木のことです。
また、針葉樹も見られます。
広葉樹と針葉樹の両方が生育する森林のことを、混交林といいます。
亜寒帯の植生
寒帯よりもやや暖かい気候である亜寒帯には、落葉広葉樹と針葉樹が見られます。
亜寒帯のなかでも寒いほうに行けば行くほど、落葉樹林は無くなっていき、針葉樹林だけが生息するようになります。
モミ、トウヒ、エゾマツ、カラマツの木などです。常緑針葉樹もあれば、落葉針葉樹もあります。
ユーラシア大陸、北アメリカに見られる広範な針葉樹林は、タイガと呼ばれています。
寒帯 ツンドラ気候ET
ツンドラ気候ETでは、夏のあいだだけ地表付近の永久凍土がとけて、少しの草やコケ類が広がります。
寒帯 氷雪気候EF
夏の一部を除いて、氷雪におおわれていて、植物は見られません。
まとめ
植生や土壌の分布は、地域の気候区分に対応して変化しますから、気候区分と合わせて理解するとよいです。
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