農業の土地生産性と労働生産性の違い、その関係性

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この記事では、土地生産性と労働生産性の違いとその関係性、また各地域の土地生産性と労働生産の高低について書きました。

生産性とは、単位当たりの生産力のことで、○○生産性というと、○○の単位当たりの生産力という意味になります。

土地生産性とは

土地生産性とは、面積あたりの生産量のことをいいます

生産量 ÷ 土地面積 = 土地生産性

です。

基本的には、労働力や肥料などの投入量が増えるほど、土地生産性は大きくなります。

適切な肥料を適切な量つかうのであれば収穫量は増えます。同じ土地面積で生産をして、収穫量が増えたのであれば、土地生産性が高くなったといえます。

多くの人手をかけて手間ひまをかけて、同じ土地面積で、うまく収穫量を増やすことができれば、土地生産性が高くなったといえます。

逆に、土地生産性が低くなる時は、土地の地力が弱まったときなどです。農作物を生産する力(地力)が落ちてしまうと、同じ土地面積で生産をしても、収穫量が減ってしまいます。これは、土地生産性は低くなったといえますね。

労働生産性とは

労働生産性とは、労働量当たりの生産量のことです。

生産量 ÷ 労働力 = 労働生産性

ですね。

より少ない労働力で、より多くの生産物をつくれば、労働生産性は高くなります。たとえば、労働者の数は同じですが、技術力が向上して収穫量が増加したとしたら、労働生産性が増えたことになります。

人の作業の代わりになる機械を導入し、労働者は減って収穫量は同じだった、となれば、これも労働生産性が増えたことになります。

逆に、労働力を増やして生産を行ったが収穫量は変わらなかった、となると、労働生産性は低くなったことになりますね。

地域や農業形態によって異なる土地生産性と労働生産性

土地生産性や労働生産性は、地域や農業形態によって異なります。

アフリカのサハラ以南の国では、遊牧や焼畑などで自給的な農牧業を行っていて、土地生産性も低く、労働生産性も低くなっています。

中国やベトナムなどアジアの国では、豊富な労働量を投入しています。土地生産性は高く、労働生産性は低いです。

日本では、土地生産性は高く、労働生産性はやや低くなっています。日本では農業に適した土地に限りがあったので、豊富であった労働力をたくさん投入して、土地生産性が高い農業が行われてきました。

アルゼンチンやカナダ、オーストラリアなどの新大陸では、労働生産性は高いですが、土地生産性は低めです。とくにオーストラリアは、土地生産性は低いです。

大規模な土地所有と機械化によって、少ない人で機械を活用して生産をしているので、労働生産性が高くなっています。土地は広大にあったため、土地をどう生かすか、というよりも、限界のある労働力をどう効率的に活用するかが問題でした。

アメリカや、ヨーロッパのフランスやドイツでは、土地生産性と労働生産性ともに高くなっています。

土地生産性と労働生産性の関係

農作物をできるだけ多くつくりたいという思いは、どの地域で農業従事者にとっても同じです。

オーストラリアや南アメリカなどでは大規模な農場で機械化が進んでいるため、労働生産性が高くなっています。土地生産性は低めになっている国もあります。

中国やベトナムなどアジアの国では、労働生産性は低く、土地生産性は高いです。豊富な労働量を投入して、たくさん人手をかけているからです。

これらは、労働生産性が高くなると、土地生産性が低くなる?、労働生産性が低くなると、土地生産性が高くなる?ようにも思えますが、どちらかが上がれば、どちらかが下がるといった関係ではありません。

たしかに、労働者をたくさん用いて、手間ひまをかけて様々な工夫をして生産をすると、土地生産性は上がるかもしれません。しかし、単純に作業する労働者を増やしただけでは、同じ土地面積から収穫できる作物の量は変わりませんから、土地生産性は上がりません。

また、大きな土地で機械化をしたら、仕事をする人数が減って労働生産性が高くなりますが、それが土地生産性が低くなることに繋がるわけではありません。単に、オーストラリアや南アメリカでは、機械化を進めて労働生産性は高いのですが、土地当たりの生産性は高くすることができていないということです。広大な土地があるので、土地を効率的に活用しようという考えよりも、広大な土地に対して少ない人でどうやって農業するかが優先的に考えられてきました。

土地生産性も労働生産性も、両方ともに高くなっている地域もあります。それは先進国ヨーロッパやアメリカです。労働生産性と土地生産性は、両方とも高められるものです。

労働力と土地面積は同じままで、肥料を適切に増やす、技術を上げるなどして生産量を増やしたとします。それであれば、労働力も土地面積も同じままで生産量が増えたのですから、土地生産性は高くなり、労働生産性も高くなったといえます。

発展途上国で粗放的な農業を行っていて土地生産性も労働生産性も低い国があったとします。この国が発展して、機械化をして、肥料の量を増やし、そのほか農業技術レベルも高まれば、土地生産性も、労働生産性も両方とも高くなるでしょう。

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