北アメリカの農業(西岸の地中海式農業、乾燥地帯の牧畜、プレーリーの小麦栽培、五大湖周辺の酪農、コーンベルトのとうもろこし栽培、南部の綿花栽培・園芸農業)

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アメリカやカナダの小麦、とうもろこし、大豆などの穀物の生産は、世界のなかでもとても大きいです。

この農業規模が大きな北アメリカの地域の農業を説明していきます。

北アメリカの農業の特徴

北アメリカでの農業の特徴は、適地適作です。

適地適作とは、その場所の自然環境に適した作物を栽培することで、手間暇かけてやらなくてもその作物が育つ土地で栽培をします。北アメリカではそれを企業的に大規模に行います。

作物としては、小麦、とうもろこしなどですね。

広大な土地で、大型農機、施設を用いて穀物を栽培する農業形態です。牧畜も同様で、広大な土地で資本を投入して、大規模に効率的に経営を行います。

機械を活用して生産をしますから、少ない労働者でも生産量が多いので、労働生産性は高いです。

北アメリカの農業を知るには、まず西経100℃線から

北アメリカの農業を見ていくときには、まず西経100℃の線がポイントとなります。

西経100℃のラインが、年間の降水量500mmのラインとおおよそ一致し、そこで乾燥している地域・乾燥していない地域に分けられるからです。

西経100℃よりも西側では降水量500mmよりも少なくなり、東側では降水量500mmよりも多くなります。

乾燥しているか・していないかによって、農業も変わってきます。どんな農業が行われるか見ていくときの大きなポイントになりますね。

各農業地域を説明

北アメリカの農業を分けると、

  •  西部(降水量500mmラインよりも西側)での牧畜
  •  西岸部での地中海式農業
  •  降水量500mmラインでの春小麦と冬小麦の栽培
  •  5大湖周辺での酪農
  •  コーンベルトでのとうもろこし栽培
  •  南部のコットンベルトでの綿花栽培
  •  南部での野菜や果実などの園芸農業

となります。

西部(降水量500mmラインよりも西側)での牧畜

西経100℃のラインよりも西側では、年間の降水量は500mmよりも少なくなります。

西部の乾燥した地域では、牛や羊を大規模に飼育しています。

フィードロットでの肥育が盛ん。

フィードロットとは、大規模な肥育場のことで、肉牛が育ち大きくなって出荷をする前に、このフィードロットに連れてきます。そして、栄養分の多い飼料を与えて、太らせてから出荷するのです。

※肥育とは、飼料をたくさん与えて太らせ、肉をつけさせること。

また、グレートプレーンズと呼ばれる、北アメリカのロッキー山脈の東側から西経100°付近の大平原では、灌漑農業によって、小麦やトウモロコシが栽培されています。

地下水をくみ上げ、センターピボットと呼ばれる回転式のスプリンクラーで円形に灌漑をするところもあります。

西岸部での地中海式農業

アメリカ西岸部のカリフォルニア州には、夏に乾燥、冬に雨で湿潤となる地中海性気候がみられます。

カリフォルニア州では地中海式農業が行われていて、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツなどがつくられています。

カリフォルニアのオレンジはよく知られていますよね。

降水量500mmライン付近での春小麦と冬小麦の栽培

グレートプレーンズからプレーリーにかけての肥沃な土地で、春小麦、冬小麦の栽培をしています。

西経100℃が、年間の降水量500mmライン。これより西側からロッキー山脈の東麓にかけてが、グレートプレーンズです。東側がプレーリーです。

日本は自国でつかう小麦のほとんどを、海外から輸入しています。その輸入先をみると、やはりアメリカ、カナダのものが多いですね。

参考:グレートプレーンズとプレーリーの違い

五大湖周辺での酪農

五大湖あたりから北は、亜寒帯湿潤気候Dfとなります。冷涼な地域です。五大湖は氷河作用によってできた氷河湖、大昔は氷河に覆われていたことになります。

氷河に覆われていた土地は、やせた土地で農作物が育ちにくいです。冷涼な気候で、土地がやせていて、穀物栽培に適していない。

そんな土地で発達するのは、酪農です。

五大湖周辺では、酪農が盛んです。

ヨーロッパのデンマークなどで酪農が盛んなのも同じ理由ですね。

参考:酪農の盛んな国の特徴(冷涼、肥沃度が低い土地、消費地に近い)

参考:商業的農業(ヨーロッパ・アメリカ)

コーンベルトでのとうもろこし栽培

五大湖の酪農地域よりも南にいくと、とうもろこし、大豆の栽培地域となります。

コーンベルトと呼ばれている地域です。アイオワ州、イリノイ州などが中心です。

とうもろこしと、豚、肉牛の飼育を組み合わせた混合農業が行われます。

南部のコットンベルトでの綿花栽培

さらに南へいって、アメリカ南部の暖かい地域では、綿花の栽培が行われています。

南部のフロリダ州での園芸農業

南部のフロリダ州では、野菜や果実などの園芸農業が盛んです。

まとめ

北アメリカでは、国土が広い分、幅広い農業が営まれています。

まず、降水量500mmのラインである西経100℃の線で、西側が降水量が少ない、東側が多くなる。

次に、北が寒冷で、南に行くと温暖になる。

こういった降水量と気候の違いから、農業の違いを理解していくとよいかと思います。

北アメリカの農業を分けると、

  •  西部(降水量500mmラインよりも西側)での牧畜
  •  西岸部での地中海式農業
  •  降水量500mmラインでの春小麦と冬小麦の栽培
  •  5大湖周辺での酪農
  •  コーンベルトでのとうもろこし栽培
  •  南部のコットンベルトでの綿花栽培
  •  南部での野菜や果実などの園芸農業

となります。

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