インフォーマルセクターとは、国・行政の指導の下で行われておらず、国の統計上に記録されない経済活動のことです。
インフォーマルは非公式の意味、セクターは分野・部門の意味で、非公式な経済部門となります。
路上でモノを売ったり、再使用・再利用可能な廃棄品を収集することによって、生計を立てています。店舗を持って販売を行うのであれば、不動産の契約をし、住所を持ち、売上の一部は税金で納めるということになるでしょうが、路上販売ではそれらが無いでしょう。
発展途上国の大都市では、ホームレス、スラム街で生活する人々が、路上での物売りや靴磨き、廃棄品の収集、内職など、自分が生き延びるために日銭を稼ぐ仕事を行っていて、統計上の記録がなされないインフォーマルセクターが多数あります。
途上国では、インフォーマルセクターの経済活動は大きく、国の経済に影響を与えますが、GDPなどの統計数字には表れてきません。
私が西アフリカのガーナやブルキナファソ、マリを旅したときには、街には路上でモノを売る人々が多数いました。
水をビニールに入れて結んだだけのビニールパックの水を売る人、マンゴーを売る人がいました。バスが街の停留所に停まると、バス乗客に向けて飲み物・食べ物を見せ、「買わないか?」と訴えます。窓を開けてそれを買う乗客がいます。ときには売り子がバスのなかにも乗り込んできます。
ブルキナファソの村の写真です。
また、マリのある町では「俺が町の案内をしてやる」と、観光案内の提案をしつこく受けたことがあります。楽しませるから対価を払ってね、ということですね。
中央アジアのウズベキスタンには、イラクからやってきた路上でお菓子を売る女性がいました。また、レストランで食事していると小さい子供がペンを売りにやってきました。
私が発展途上国を旅したときに見たこれらの経済活動は、インフォーマルセクターであったはずです…。個人が行う統計にあらわれない経済活動が、発展途上国には多く存在しています。
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