世界のなかでも砂漠化が進行が激しい地域は、アフリカのサハラ砂漠の周縁部です。サハラ砂漠の南の周縁部のことをサヘル地域といい、とくにこのサヘル地域では砂漠化が深刻な問題となっています。
砂漠化、化ける、形や性質が違うものに変わることですから、すでに砂漠のところでは、砂漠“化”は起こらないわけです。その周辺の砂漠ではないけれども砂漠に近いところで、砂漠“化”が進んでいます。
ケッペンの気候区分でみれば、BS(ステップ気候)のところですね。
この記事では、まずアフリカ北部の気候であるAW(サバナ気候)、BW(砂漠気候)、BS(ステップ気候)について、その後に砂漠化の人為的な原因について解説します。
アフリカ北部の気候
サヘル地域の気候区分である、AW(サバナ気候)、BW(砂漠気候)、BS(ステップ気候)を紹介していきます。
AW(サバナ気候)
ガーナの写真です。赤いラトソルの土壌に広がる林です。低~中木が中心です
BS(ステップ気候)
ブルキナファソの北部の写真です。撮影時は乾季であったこともあり、乾燥した風景が広がっています。この気候区分の場所で、砂漠化が進行しているのですね。
BW(砂漠気候)
モーリタニアの砂漠とラクダです。砂の世界となります。
砂漠化の原因
砂漠化の主な原因は次の3つです。
- 耕作のしすぎである「過耕作」
- 牧草に対して家畜の多い放牧である「過放牧」
- 薪炭材を採取しすぎる「過伐採」
これらは人口増加によって起こるできごとです。
人口が増加すれば、そのぶん食べ物をつくるために耕作をしますし、放牧する家畜も増えます。さらに、生活に必要な薪の量も増え、木の伐採が進むのです。
1.過耕作
この写真は、西アフリカのブルキナファソの土地です。
耕作した土地は、収穫後には草木のない裸の土地となり、土壌が乾燥し、風にも吹かれ、浸食され荒廃しやすくなります。人口が増えると、より多くの土地を耕作して農作物をつくらないといけませんから、浸食されやすい土地が増えてしまいます。
2.過放牧
また、人が増えることによって、生活の糧となる家畜も増やすことになります。家畜たちは草木の葉を食べます。草量に対して家畜が増えて多くなると、草は食べつくされてしまいます。
草木の葉が足りなければ、草の根まで食べるので、その後は草が生えなくなってしまい、土地荒れてしまいます。さらには、草がなくなれば、木の葉も食べてしまうのですね。
3.過伐採
薪炭材の採取のしすぎも、木々を減少させて砂漠化を引き起こします。薪炭材とは、薪や木炭につかう木材のことです。
西アフリカのブルキナファソやマリを旅したときには、街の道端で揚げ物を調理して売ったり、熱いカフェオレ売っている人たちがいました。
彼らは、薪を使って加熱調理をしていましたね。
セネガルやモーリタニアではガス缶を使って火をつかっていました。
まとめ
サヘル地帯では砂漠化が深刻な悩み。
主な原因は、耕作のしすぎである「過耕作」、草に対して家畜の多い放牧である「過放牧」、薪を採取しすぎるのが「過伐採」です。
砂漠ができる要因には自然的要因もあります。こちらの記事で解説しています。
参考:砂漠化の自然的要因(回帰線砂漠、内陸砂漠、雨陰砂漠、海岸砂漠)
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